キャッチコピーを変えるだけでCVRが2倍に?
LP(ランディングページ)のキャッチコピーは、CVR(コンバージョン率)に最も大きな影響を与える要素の一つです。
マーケティングリサーチ会社のUnbounceが2024年に発表したレポートによると、LPのファーストビュー(最初に表示される画面)を見たユーザーの**約73%**が、キャッチコピーの内容で「続きを読むか離脱するか」を判断しています。
また、同レポートでは、キャッチコピーのA/Bテストを実施した企業の平均CVR改善率は27%で、最も効果の高かった事例ではCVRが2.4倍になったと報告されています。
つまり、LPのキャッチコピーは「たかが一行」ではなく、売上に直結する最重要テキストなのです。そして今、AIを活用することで、このキャッチコピーの作成・改善を劇的に効率化できます。
AIを使ったコピー生成のプロンプト例
以下に、ChatGPTやClaudeで使える具体的なプロンプト例を4つ紹介します。
プロンプト①:ベネフィット訴求型コピーの生成
あなたはBtoBマーケティングに精通したコピーライターです。
以下の情報を元に、LPのキャッチコピー案を10個作成してください。
【サービス情報】
- サービス名:○○コンサルティング
- ターゲット:従業員30名以下の中小企業の経営者
- 主な悩み:社員の離職率が高い、採用がうまくいかない
- 提供価値:組織診断と改善プランの策定で離職率を改善する
- 実績:導入企業の平均離職率が42%改善
【条件】
- 文字数:15〜30文字
- トーン:信頼感があり、押し売りではない
- 具体的な数字を含めること
- ベネフィット(顧客が得られる成果)を主語にすること
プロンプト②:既存コピーの改善案生成
以下のLPキャッチコピーを改善してください。
現在のCVRは0.8%で、業界平均の1.5%を下回っています。
【現在のコピー】
「経営課題をワンストップで解決します」
【サービス情報】
(上記と同様の情報を記載)
【改善の方向性】
1. 具体的な数字を盛り込む
2. ターゲットが「自分のことだ」と感じる表現にする
3. 競合との差別化ポイントを含める
改善案を5つ提示し、それぞれ「なぜこのコピーが効果的か」の理由も添えてください。
プロンプト③:ペルソナ別コピーの生成
以下の3つのペルソナに対して、それぞれ最適なLPキャッチコピーを3案ずつ作成してください。
【ペルソナA】
- 年齢:35歳、男性
- 職業:IT系スタートアップのCEO
- 課題:急成長に組織が追いついていない
- 決裁の基準:ROIが明確であること
【ペルソナB】
- 年齢:50歳、女性
- 職業:製造業の二代目経営者
- 課題:ベテラン社員と若手社員の溝
- 決裁の基準:実績と信頼性
【ペルソナC】
- 年齢:42歳、男性
- 職業:士業(社労士事務所の所長)
- 課題:自分の事務所の人材確保
- 決裁の基準:同業者の導入事例
各コピーは20文字以内で、ペルソナが「自分のことだ」と感じる表現にしてください。
プロンプト④:A/Bテスト用の対立軸コピー生成
A/Bテスト用に、異なるアプローチのキャッチコピーペアを5セット作成してください。
【サービス情報】
(サービス情報を記載)
【対立軸の例】
- 数字訴求 vs 感情訴求
- 問題提起型 vs 解決策提示型
- 短文(10文字以内)vs 長文(30文字程度)
- 疑問形 vs 断定形
- ターゲット明示 vs 汎用的
各ペアについて、どちらが効果的と予想されるかの仮説と、
テストで確認すべきポイントを添えてください。
プロンプトの書き方のコツ
AIに良いコピーを生成させるには、プロンプトの書き方が重要です。以下の5つのコツを押さえてください。
1. ターゲット情報を具体的に記載する
「中小企業の経営者」ではなく「従業員30名以下、年商3億円規模の製造業の経営者」と書くことで、出力の精度が大幅に上がります。
2. 実績データを必ず含める
「多くの企業が導入」ではなく「導入企業の平均離職率が42%改善」という具体的な数字を入れると、AIもデータに基づいたコピーを生成します。
3. NG表現を明示する
「押し売り的な表現は避ける」「"〜しないと損"のような煽り文句は使わない」と明記することで、ブランドイメージに合わないコピーを除外できます。
4. 複数案を出させて選ぶ
1案だけ出させるより、10案出させてその中から選ぶ方が効率的です。AIの出力にはバラツキがありますが、複数案の中には必ず良い切り口が含まれます。
5. 「なぜそのコピーが効果的か」の理由も出力させる
理由を聞くことで、AIの思考プロセスを確認でき、コピーの背景にある意図を理解できます。理由に納得できないコピーは、実際のテストでも効果が低い傾向があります。
A/Bテストの簡易的なやり方
キャッチコピーの候補が決まったら、A/Bテストで効果を検証しましょう。Google Optimizeが2023年にサービス終了したため、代替ツールを紹介します。
無料・低コストのA/Bテストツール
| ツール名 | 料金 | 特徴 | |---------|------|------| | Google Optimize後継(自前実装) | 無料 | GTMを使った簡易的なテスト | | VWO | 無料枠あり | 直感的なビジュアルエディタ | | AB Tasty | 要問い合わせ | 日本語サポートあり | | Optimizely | 要問い合わせ | エンタープライズ向け |
一人社長におすすめなのは、VWOの無料プランです。月間10,000訪問者まで無料で利用でき、コードを書かずにキャッチコピーの変更テストができます。
A/Bテストの基本手順
- 仮説を立てる:「数字を含むコピーの方がCVRが高い」など
- テストパターンを設定:オリジナル(A)と改善案(B)を用意
- トラフィックを均等に分割:50%ずつ振り分け
- 十分なサンプルサイズまで待つ:最低でも各パターン100セッション以上
- 統計的有意差を確認:95%の信頼度が目安
- 勝者を採用:CVRの高かったパターンを本番に反映
実際の改善例:ビフォーアフター
筆者がクライアントのLPで実施したキャッチコピー改善の事例を紹介します。
事例1:BtoBコンサルティング会社
Before:「御社の経営課題を解決します」
After:「離職率42%改善。300社が選んだ組織改革プログラム」
結果: CVR 0.8% → 1.9%(2.4倍に改善)
改善のポイント: 漠然とした「経営課題を解決」から、具体的な数字(42%改善)と社会的証明(300社)を含むコピーに変更。
事例2:Web制作フリーランス
Before:「高品質なWebサイトを制作します」
After:「問い合わせ数3倍に。売上に直結するWebサイト制作」
結果: CVR 0.5% → 1.1%(2.2倍に改善)
改善のポイント:「高品質」という主観的な表現から、クライアントが得られる具体的なベネフィット(問い合わせ数3倍)に焦点を移した。
事例3:オンライン英会話スクール(個人運営)
Before:「ネイティブ講師によるマンツーマンレッスン」
After:「3ヶ月でTOEIC200点アップ。忙しい社会人のための朝活英語」
結果: CVR 1.2% → 2.1%(1.75倍に改善)
改善のポイント: スペック(ネイティブ講師)ではなく、ターゲット(忙しい社会人)とベネフィット(TOEIC200点アップ)を前面に出した。
AIに丸投げしてはいけないポイント
AIは強力なコピー生成ツールですが、以下の点は人間が判断すべきです。
1. ブランドトーンの最終判断
AIが生成したコピーが自社のブランドイメージに合っているかは、経営者自身が判断する必要があります。特に、攻撃的すぎる表現や、競合を直接批判するような表現は避けるべきです。
2. 事実確認
AIが生成した数字やデータが正確かどうかは必ず確認してください。AIは「もっともらしい数字」を生成することがありますが、実在しないデータを引用すると信頼性を損ないます。
3. 法的リスクの確認
「日本一」「最安値」「確実に効果がある」といった表現は、景品表示法(不当表示)に抵触する可能性があります。AIがこうした表現を生成した場合は、必ず修正してください。
4. テストによる検証
AIが「効果的」と判断したコピーでも、実際のユーザーには響かないことがあります。最終的な判断は、A/Bテストのデータに基づいて行いましょう。
まとめ
AIを活用したLPキャッチコピーの改善は、一人社長が取り組みやすいマーケティング施策の一つです。具体的なプロンプトを使ってコピー案を大量生成し、A/Bテストで効果を検証する——このサイクルを回すことで、LPのCVRを着実に改善できます。
まずは本記事のプロンプト例を参考に、自社のLPキャッチコピーの改善案をAIに生成させてみてください。10案の中に、きっと「これだ」と思えるコピーがあるはずです。