IT導入補助金の「対象ツール」とは?
IT導入補助金では、すべてのITツールが補助対象になるわけではありません。IT導入支援事業者(登録ベンダー)として認定されたベンダーが提供するツールのみが対象です。
ベンダーは毎年登録・審査が行われるため、ツールの対象可否は年度によって変わります。申請前に必ず公式ポータルで最新情報を確認してください。
機能カテゴリの分類
IT導入補助金では、ツールを以下の機能カテゴリで分類しています:
| カテゴリ | 説明 | |---|---| | 共通機能 | 会計・財務、受発注、決済、ECなど | | オプション機能 | 汎用機能(スケジュール管理・文書管理など) | | 役務(セキュリティ) | セキュリティ対策サービス |
一人社長・フリーランスが特に活用しやすいのは**「共通機能」**のカテゴリです。
カテゴリ別:補助対象になる代表的なSaaSツール
1. 会計・ERP(バックオフィスの核心)
経理・帳票・確定申告の効率化に直結するカテゴリです。
| ツール名 | 提供会社 | 特徴 | 月額目安 | |---|---|---|---| | freee会計 | freee株式会社 | 個人事業主・法人対応。UI使いやすく確定申告も自動化 | 3,278円〜 | | マネーフォワード クラウド会計 | マネーフォワード | 銀行・クレカ連携が強力。スモールプランあり | 3,278円〜 | | 弥生会計 オンライン | 弥生株式会社 | 老舗の安心感。会計ソフトから移行しやすい | 26,400円/年〜 |
一人社長への推薦:freeeかマネーフォワードのどちらかを選ぶケースが多い。インボイス対応・電子帳簿保存法対応も両社とも済み。
2. 請求書・受発注(毎月の作業時間を削減)
請求書の作成・送付・管理を自動化するカテゴリです。
| ツール名 | 提供会社 | 特徴 | 月額目安 | |---|---|---|---| | Misoca | 弥生グループ | 請求書・見積書の作成・送付が簡単。freeeとも連携可 | 無料〜3,278円 | | freee請求書 | freee | freee会計とシームレスに連携。売掛金管理も一元化 | freee会計に含む | | INVOY | Hamee | インボイス対応特化。無料プランあり | 無料〜 | | マネーフォワード クラウド請求書 | マネーフォワード | MF会計と完全連携。複数プロジェクト管理も可 | MFクラウドに含む |
3. 電子契約(契約書の郵送コストをゼロに)
クライアントとの契約書をオンラインで完結させるツールです。
| ツール名 | 提供会社 | 特徴 | 月額目安 | |---|---|---|---| | クラウドサイン | 弁護士ドットコム | 国内シェアNo.1。弁護士監修で法的有効性が高い | 無料〜11,000円 | | GMOサイン | GMOインターネットグループ | コスパが良い。年間契約で送信単価が下がる | 無料〜9,680円 | | DocuSign | DocuSign Japan | グローバル標準。海外取引が多い場合に強い | 要見積もり | | Adobe Acrobat Sign | アドビ | AdobeツールをすでにSAAやCC使っている場合に便利 | AcrobatPlanに含む |
一人社長への推薦:月数件程度の契約ならクラウドサインの無料プランで十分なケースが多い。
4. 顧客管理・CRM(見込み客を逃さない仕組み)
問い合わせ・商談管理を効率化するツールです。
| ツール名 | 提供会社 | 特徴 | 月額目安 | |---|---|---|---| | HubSpot CRM | HubSpot | 無料で使える機能が豊富。メール追跡・パイプライン管理 | 無料〜 | | Zoho CRM | Zoho | コスパが良い多機能CRM。3ユーザーまで無料 | 無料〜3,276円 | | Notion(顧客管理テンプレート) | Notion Labs | 顧客データベースをNotionで構築するケースも | 2,000円〜 |
5. コミュニケーション・プロジェクト管理
チームや外注先との連絡・タスク管理に使えるツールです。
| ツール名 | 提供会社 | 特徴 | 月額目安 | |---|---|---|---| | Slack | Salesforce | チャットベースのコミュニケーションツール。外注先との連絡に最適 | 無料〜925円/人 | | Microsoft Teams | Microsoft | Office365契約があれば無料で使える | Microsoft365に含む | | Notion | Notion Labs | ドキュメント・タスク・データベースを一元管理 | 無料〜2,000円 |
6. 経費精算・バックオフィス一括管理
経費の申請・承認・支払いを一元化するツールです(主に少人数チームや外注管理に活用)。
| ツール名 | 提供会社 | 特徴 | 月額目安 | |---|---|---|---| | バクラク | LayerX | 請求書受取・経費精算・支払い申請を一括管理 | 要見積もり | | マネーフォワード クラウド経費 | マネーフォワード | MFクラウドシリーズと連携。個人利用も可 | MFクラウドに含む | | freee経費精算 | freee | freeeシリーズとシームレスに連携 | freee会計に含む |
導入優先順位の考え方
一人社長・フリーランスが補助金を活用してツールを導入する際は、以下の観点で優先順位をつけましょう:
優先度高:業務時間の削減効果が大きいもの
- クラウド会計(freee or マネーフォワード):確定申告・月次経理の自動化で最も効果が大きい
- 請求書ツール:毎月の定常作業を自動化。freee・MFと連携するとさらに効果的
- 電子契約:契約書の郵送コスト(印紙・郵便)と時間を削減
優先度中:事業成長に貢献するもの
- CRM:問い合わせ管理・フォローを体系化したい場合
- プロジェクト管理:外注スタッフと仕事をする場合に効果的
優先度低:規模が大きくなってから検討
- 経費精算ツール:一人のうちはクラウド会計で十分カバーできることが多い
補助対象外になるツール・経費の例
以下は補助対象外になることが多いので注意:
- ハードウェア単体(PCやプリンターのみの購入)
- 汎用的なソフトウェア(Microsoft Officeのみなど)
- IT導入支援事業者(登録ベンダー)に未登録のサービス
- すでに導入済みのツールの継続費用(新規導入分のみが対象)
- 人件費・コンサルティング費用(原則対象外)
ツール選定前に確認すべき3つのこと
-
公式ポータルで登録ベンダーか確認する IT導入補助金のポータルサイトで、導入予定のツール・ベンダーが登録されているか必ず確認してください。
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見積もりを先にもらう 補助金申請にはベンダーから提供される見積書が必要です。まずベンダーに相談しましょう。
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gBizIDプライムを先に取得する 申請に必要なgBizIDプライムは取得に2〜3週間かかります。ツール選定と並行して早めに手続きを進めてください。
関連記事:
💬 どのツールを選べばいい?診断で一緒に確認します
「自分の業務量にはどのツールが合っている?」「補助金を使ってまとめて導入したい」など、無料オンライン診断でツール選定から補助金活用までアドバイスします。
申請時のツール選定チェックリスト
補助金を使ってSaaSを導入する際に確認すべき項目をまとめました。
事前確認チェックリスト
- [ ] IT導入補助金ポータルでベンダー登録を確認済みか
- [ ] gBizIDプライムを取得済みか(未取得なら今すぐ申請)
- [ ] 現在の公募期間内か(締め切りを確認)
- [ ] 交付決定前にツール導入・支払いをしないと理解しているか
- [ ] ベンダーに補助金申請の共同申請が可能か確認したか
ツール選定時のチェックリスト
- [ ] インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているか
- [ ] 既存の会計ソフト・銀行口座と連携できるか
- [ ] 無料トライアルで実際に使い勝手を確認したか
- [ ] サポート体制(日本語対応・チャット・電話)を確認したか
- [ ] 年額プランと月額プランのどちらがコスパが良いか比較したか
freee vs マネーフォワード:一人社長はどちらを選ぶべきか
IT導入補助金で会計ソフトを導入する場合、「freee」と「マネーフォワード クラウド」のどちらを選ぶかよく迷われます。
| 比較項目 | freee | マネーフォワード クラウド | |---|---|---| | UI・使いやすさ | 初心者向け・直感的 | やや高機能で慣れが必要 | | 確定申告サポート | 自動化が強い・青色申告も対応 | 機能は豊富だが設定が必要 | | 銀行連携 | 主要銀行・クレカ対応 | 連携銀行数が多い | | 請求書機能 | freee請求書と一体化 | MFクラウド請求書と連携 | | スマホアプリ | 使いやすい | 機能が充実 | | 料金(個人事業主) | 3,278円/月〜 | 3,278円/月〜 |
結論:
- 初めてクラウド会計を使う方→ freeeが使いやすい
- 既にMFシリーズを使っている方・連携銀行の多さを重視→ マネーフォワード
どちらも無料トライアルがあるので、実際に試してから決めるのがベストです。
まとめ:IT導入補助金活用の3ステップ
- 導入したいツールを決める(この記事の一覧を参考に)
- IT導入補助金ポータルでベンダー登録を確認
- gBizIDプライムを取得してベンダーに相談する
補助金制度は毎年変わります。最新情報は必ず公式サイトで確認してください。